相続税申告も電子申告が可能に!

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法人税や所得税などは以前から電子申告が可能となっていましたが、相続税についてはいまだに電子申告の対応となっていないため紙で税務署へ提出を行っていました。これが今年の10月1日から相続税の申告書もようやく電子申告ができるようになる見込みのようです。対象は「2019年1月1日以後の相続」となっているため、2018年までに開始した相続については従来通り紙による提出となります。

 

電子申告の場合は申告書の提出のために税務署へ訪問若しくは郵送しなくても良いためその準備時間などを削減することができるため、個人的には心待ちにしていました。ただ、まだ全体像が出てきていないので何とも言えませんが、国税庁のパンフレットを見る限りはそれほどメリットが多くないのかなとも思い始めているところです。国税庁がうたっている電子申告によるメリットとそれに対する相続税申告の実務上の対応について考えてみました。

 

■電子申告の場合は納税者の電子署名を省略することができる。

法人税や所得税の申告の場合、押印をするのは基本的に法人の代表者や個人の納税者1人のため、メールなどで申告書の内容を確認してもらって電子申告までスムーズに進めることが出来ます。ただし、相続税の申告書は相続人が複数人になることが多いことやメールを使っていない年齢の方も多いため、遠方に住んでいる納税者に対しては申告書確認のために郵送をして押印をしてもらうという今までと変わらない形になるのかなと今のところ感じています。

 

■マイナンバーに関する書類の内、税理士証票の写しと納税者の番号確認書類(マイナンバーの通知カードなど)が不要になる。

まだ詳細がわからないのですが、納税者の「本人確認書類(免許証のコピーなど)」も不要になるのであれば提出書類が減るため、納税者の方に用意してもらう手間が省けるのでこれは良い点だと思います。

 

■申告書の控えをデータで保管できる。

弊社は紙で提出した申告書についても既にデータで保存管理しているため、これについては特段何もありません。

 

■添付書類についてもPDFでデータ送信できる。

これがどこまでデータ送信できるかによって使い勝手の良さが変わるなと感じています。

今のところですが、電子申告時に「遺産分割協議書などの主要な添付書類」についてはデータ化して送ることができるように進めているようです。ただし、それ以外の書類については詳細が出ていないためまだ分からない状況です。相続税の申告書には遺産分割協議書以外にも例えば固定資産税の納税通知書預金の残高証明書なども添付して提出している税理士事務所が多いのかと思われます。もしもこれらの書類が電子データの対象外ということになるのであればどちらにしても税務署へ郵送するなどの手間が必要となってしまいます。申告書は電子申告で行うけれども添付書類については郵送という形になるのであれば電子申告のメリットがほとんどなくなってしまうため、それであれば相続税の電子申告はあまり普及しないのではないかとも感じています。

 

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執筆者:税理士 佐藤友一

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